投資を始めようという人へ

ド素人の視点からの投資やお金にまつわる考え方

3.「投資」と「博打」のグレーゾーン

「投資」と「消費」と「博打」にはグレーゾーンがあり、そのグレーゾーンに安全安心な投資のヒントがある、ということを前回書きました。この中で今回は「投資」と「博打」のグレーゾーンについて考えてみたいと思います。

「投資」に近い「博打」はあまり思いつかない

「投資」に近い「博打」というのはよくよく考えるとあまり思いつきません。投資と博打の大きな違いは、その行為そのものの娯楽性ですが、博打が娯楽性を排して確実なリターンを得るための行動に変わると、それは「投資」というよりむしろ「職業」「労働」に近くなるからかな、と思います。例えばパチンコの開店プロ。もはや娯楽というよりは、まめに新装開店店舗情報を仕入れて朝早くから並び稼ぐ。これは投資というより労働に近い博打でしょう。

博打に近い投資【値動きリスクの側面】

「博打」に近い「投資」はいくらでも思いつくわけですが、大きくは2つの側面があります。ひとつはリスクが大きいという側面です。

私もビットコイン他の暗号通貨を購入したことがありますが、その値動きの大きさに驚きました。確か1BTC20万円くらいの時に買ったのですが、それがあれよあれよと今現在は約500万円です(0.025BTCくらいしか持ってないんですが笑)。これはもうあれこれ理屈や考察抜きにして博打です。その他にも株は企業が破綻すれば紙切れですし、バブル崩壊を経験した日本人としては、不動産も投資としてはちょっと怖い。

どんな投資でもリスクはありますが、やはり値動きが大きく、ド素人からすれば怖い投資はたくさんあると思います。

ただ、投資商品に値動きのリスクがあるというのは割とよく知られた話で、逆にリスクがちゃんと説明されない高金利商品は確実にサギ、という啓蒙も浸透してきました。つまり「値動きのリスク」の側面で発生する「投資」と「博打」のグレーゾーンは比較的皆さんわかりやすいと思います。

博打に近い投資【丁半博打、勝者と敗者の側面】

もう一つは「勝者」と「敗者」の側面です。博打は、敗者の賭け金を勝者が奪うという決定的な特性があります。投資にもこれに似た特性のものがあります。

  • 例えばAさんがX社の株を1000円で1株買おうと思いました。
  • Bさんは手持ちのX社の株を、1000円なら1株売ってもいいと思いました。

この売り買いの要望が株式市場でマッチングされて売買成立です。ここでポイントは、AさんはX社の株が「そのうち1200円くらいに上がるだろう」と思って買おうとしています。それに対してBさんは「そのうち900円くらいに下がるかもな」と思って売ろうとしているわけです。つまり、AさんとBさんの思惑が正反対になった時に株の売買は成立するわけで、X社の株が多少値動きすれば、どちらかが勝ち、どちらかが負けます。

つまり株に勝つ人がいれば、その裏側には必ず負ける人がいる。これは博打の特性に近いものがあります。

ですがその一方で株には博打とは決定的に違う特性があります。株は値上がりすれば、持っている人は全員ハッピーになります。値下がりすれば全員が落胆します。株を持つということはそもそもが「その企業の経営に参加する」ということです。ですからその企業を応援する、頑張ってもらう。そうすればみんなハッピーになる。

博打にはみんながハッピーになる、というシナリオは存在しえません。絶対に全員がハッピーにならないものが、博打です。

その一方で、身近な金融商品でももっと博打に近い金融商品はあります。「勝者と敗者」の丁半博打の金融商品です。

私がすぐに思いつくものは「外貨預金(FXや暗号通貨も)」と「健康祝金付きの生命保険、医療保険」です。これはちょっと長くなるので、次回に送りましょう。

なんだか、「博打は悪」が前提のような書き方になってきましたが、そんなことはないですよね。私自身学生時代はパチンコパチスロはサルのようにやりましたし、麻雀は歳をとっても楽しめる知的ゲームですし、競馬だって世界中から愛される娯楽ですし文化だと思います。

私が許せないのは、博打の特性を隠して美辞麗句の宣伝文句を並べている金融商品です。値動きリスクの有無は説明されますが、むしろ博打の本質は「勝者と敗者」です。これをよく見極めて「ほぼ丁半博打の金融商品」を見極めていきましょう