投資を始めようという人へ

ド素人の視点からの投資やお金にまつわる考え方

3-2.「投資」と「消費」のグレーゾーン【投資したつもりが消費してる】

前回は、博打に近い投資はあり、それは避けた方が無難、それは値動きのリスクが大きいということでは(必ずしも)なく、売買が「勝った負けたの丁半勝負」の商品が身近にも多い、という話をしました。

今回は、「投資」と「消費」のグレーゾーンを考えてみたいと思います。以前も述べましたが、消費は投資と違い、客観的なリターンは期待できず購入したり使用したりしたらそれで終わり、という性格の経済行動です。

このグレーゾーンにも「良い投資」をするための重要なヒントがある、と思っています。

投資に近い消費【定量化できない無形のリターン】

まず投資に近い消費ですが、金銭などはっきりと数えれるものではない、ぼやっとしたリターンが期待できるものが該当すると思います。

例えばライザップに通って痩せる。痩せることによる効果は定量的には難しいですが、やはり健康になるでしょうし、異性にモテる確率も高くなるでしょう。逆に痩せることに失敗するリスクや、痩せたが女の子には相変わらずモテなかった、というリスクも無いことは無いでしょう。自分を高めるための消費行動は、リスクがあることも含め明らかに投資的な発想を持つ消費です。勉強もそうです。目的を持ってそれに向かって勉強することは自分への投資と言えると思います。もちろん死ぬほど頑張ったのに目的を達することができず、自己嫌悪に陥りヤサグレる、というリスクも当然あるわけです。

無形とは言え、リターンのために工夫し努力する、失敗するリスクもある。まさにこれは投資です。ですが、勝った負けたがあるものもあれど、本質的にはすべて自分との闘いではないでしょうか。努力して負けても、長い人生では決して意味の無い負けでもないでしょう。それがまたこれからの人生への貴重な投資になるかもしれません。その意味で投資的な消費行為は、投資ではあっても決して「博打」ではないと思います。

消費に近い投資【というか消費部分が多い投資】

投資において消費に近いグレーゾーンとして真っ先に思いつくものがあります。それは「消費に近い投資」というよりは「消費の要素が多すぎる投資」という言い方が正しいです。

端的に言いましょう。それは「手数料類」です。どんなに小さな投資額でも、巨額の投資でも、とにかくそれが何かの投資対象に変化して投資対象が活躍すれば儲かります。投資対象が働いてくれるのです。自分が働けないような働き方を、投資対象がやってくれるのです。それが投資です。

ですが、例えば株や投資信託の購入時手数料や信託報酬、銀行や証券会社の口座維持手数料、銀行振り込みの手数料、とにかく「手数料」の名の付くものは、その部分だけは明確に消費行為であって、手数料は投資によるリターンをもたらすことには何も貢献しません

まあ銀行口座によっては、口座維持手数料を払えば、年一回よくわからないグラフがついた「お取引レポート」を送ってくれるとかあるかもしれません。そんもの見ますか?グラフが欲しければ、自分で記録取ってExcelで必要な集計をすればいいです。

手数料を取らないと、商品を売る側の金融機関も、商売として成り立ちませんので、しょうがないっちゃしょうがないのですが、我々としてこんなものは、無いもしくは少ないに越したことはない。

我々は投資したいのであって、金融機関に手数料を払って喜んでもらいたい、テレビでその金融機関の恐らくはクソ高いギャラが必要な有名女優を使ったCMを見たいのではありません。ここは心を鬼にして金融機関に対する「消費」を減らすしかないのです。

例えば銀行に行くと、投資信託を勧められることがよくあります。この時に勧められる商品はかなりの高確率で「信託報酬」という手数料が高い率の商品です。信託報酬が1%を超えるような商品は、販売する金融機関も儲かる。だから必死に売る。ただそれだけです。客観的にその投資信託が良いとは限らない。ただただ金融機関側が客観的に儲かる商品をわかりやすく勧めてくるのです。この時代、金融機関も必死なんです。

あるいは外貨預金など外貨の売買。これはまず外貨を買うときは「TTS」というレート、日本円に戻すときは「TTB」というレートが適用されます。つまりTTBとTTSの差額が為替売買の手数料として100%確実に金融機関の儲けになるわけです。円高になってあなたが大損しようがそれは知ったこっちゃない。

さらに言えば、手数料が公開されず全くブラックボックス金融商品もあります。私はこんな商品は買うのが本当に怖いです。疑心暗鬼になります。ちなみに代表的な商品は「保険」です。

つまり、投資をするときには「それにはどんな手数料がどのくらいかかるのか」ということをよく理解して、できれば少しでも手数料が安い買い方を考えるべきだと思っています。

手数料なんて、同じ商品ならどこでも似たりよったりじゃないの?と思いますが、そうでもありません。今後は「まず手数料は低い方が良い」ということを前提に投資にまつわる色々な行動をお話していきたいと思います。

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さて、次回は、投資の目的を考えたいと思います。値上がりすることが目的でしょうか?。それだけではない、という視点です。